■実証実験の目的
環境問題や資源エネルギー問題が深刻化する中で、住宅についても「作っては壊す」のではなく「いいものを作って、きちんと手入れをして、長く使う」ことが、ますます大切になっています。また雇用環境の悪化や所得の低下も踏まえると、既存住宅を重要な資産として活用していく必要があります。
しかし、日本の全住宅流通量に占める既存住宅流通シェアを見ると13.5%と、欧米に比べ、低い水準となっています。また住宅投資に占める住宅リフォーム投資割合も30.1%と、欧州諸国の半分程度にとどまっており、リフォームが活発に行われているとは言い難い状況です。また、日本の滅失住宅の平均築後年数は27年となっており、これも同様に、欧米に比べ低い水準です。
これからは、大切な自分の家の手入れをきちんと行い、快適に暮らすと同時に資産価値も高めていくことで、ライフステージに応じた住み替えが必要となった時には、次に住む人に住宅をスムーズに引き継げるような、住宅が長く大切に使われていく社会を目指していかなければなりません。
このため、政府が定めた「住生活基本計画(全国計画)」(平成23年3月15日閣議決定)においても、「多様な居住ニーズが適切に実現される住宅市場の環境整備」を推進し、既存住宅の流通が円滑に行われることによる循環型の住宅市場を実現するため、既存住宅の流通を活性化させることが重要であるとされています。
最近の消費者へのアンケートを見ると、新築にこだわらないという人が増えている一方で、既存住宅の購入検討時には、新築住宅と比べ情報が少ないという意見もあります。そのことが既存住宅流通市場の活性化に向けたボトルネックの1つとなっているのではないかと考え、本実証実験では、購入・売却時に必要な情報についてモニター調査を行うことにより、消費者が安心して既存住宅を購入・売却するための市場環境整備に取り組んでいきます。